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60万戸ー数字から読み解く高齢化社会ー

2019年09月12日

60万戸

人間が快適に暮らしていくためには衣食住の安定が必要となります。これは、国や時代を問わず、不変の真理です。高齢になってからも自宅で過ごせるのであればそれに越したことはありませんが、身体機能の衰えや家族構成の変化によって、施設への転居を余儀なくされる場合があるわけです。しかし、現状は高齢者の増加ペースにまだまだ住まいの供給が追いついていません。

このままの状況が続いてしまえば、歳をとってから行き場を失った「介護難民」が増えるばかりであり、国も本腰を入れて高齢者向けの住宅供給に取り組んでいるのです。国は2010年(平成22年)からの10年間で新たに60万戸の高齢者住宅を整備し、2020年には既存分を含めて計100万戸建設をめざしています。しかし、この数字に到達したからといって介護難民がゼロになる、というわけではもちろんありません。少しずつ整備率を高めていくためにはこれ以降も不断の努力が必要です。逆に捉えると、それだけ社会的要請が高い事業であるともいえます。

また、2015年の秋に入ってきたニュースによると、自民党の安倍首相は特別養護老人ホーム(特養)の整備に本格的に取り組むことを表明したそうです。どれだけの金額が投入されるのかまだビジョンはクリアになっていませんが、長年問題化している特養への入居待ちを解消するためにも必要な取り組みだと感じます。

10年間で60万戸を整備するためには、民間だけに任せてしまうわけにはいきません。そこで国も補助金を通じて市場への積極的な参入を呼び込もうとしています。

なかでもサービス付き高齢者向け住宅整備に大きな力と資本が注がれていて、補助金の原資となる予算がしっかりと確保されています。過去3年間の推移を見ると、13年度340億円、14年度340億円、そして現行予算である15年度は320億円が投じられているのです。民間事業者が高齢者住宅建築のスキームを検討していくにあたって、やはり補助金の存在は大きいもの。とはいえ、今年度は10年計画のちょうど折り返し点にあたるため、年度終了後になんらかの検証が行われる可能性も大いにあります。過去5年間の推移を考えると、いきなり補助金がゼロになる、というケースは正直考えづらいものですが、これからの国の方針や予算規模については情報収集のアンテナを張っておく方がよさそうです。

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