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高齢者住宅には公的なものがある

2019年11月29日

高齢者住宅の種類

まず、高齢者住宅には公的な性格を持つものがあります。いきなり「自分の持っている土地に特養を誘致して建てます」という話はまずありえませんが、国や行政もまた制度の整備に力を注いでいるというくらいのイメージで捉えておいてください。やはり昨今の流れで注目すべきは、特養の入居条件が要介護3以上に引き上げられたことと、今後全国的に増設を進めていく方針が決定したことでしょう。マスメディアなどでも再三報道されている通り、「入居したいのに特養に入ることができない」という待機期間は、もはや社会問題のひとつ。本当に必要としている方にサービスを届けるための手段として、致し方のないことだと感じます。
ではなぜ、誰もが特養に入りたがるのでしょうか。「費用が安いからでしょ」という答えは正解の半分でしかないと私は思います。もっと踏み込んで言えば、「特養と同程度の費用」でしか老人ホームに入居できない方がたくさんおられるわけです。くわしくは後の章で触れることになりますが、たとえてみれば軽自動車の予算しかない方に高級外車やスポーツカーをいくらセールスしたって売れるはずがありませんよね。この視点は高齢者住宅を運営していくうえで絶対に外せないものですし、途切れることのない特養の待機者はひとつの問題提起として私たちも捉えるべきだと考えます。

 

特別養護老人ホーム(特養)

「特養」という通称の方がわかりやすいかもしれません。自宅での介護が難しい重度の要介護者対象の施設で、費用が他の施設と比べて極端に安いこともあり、全国いたるところで入居を希望する方が多くなっています。特別養護老人ホームはいったん入居されてから別のホームへ住み替えたり、自宅復帰をさ
れる方は著しく少なくなっていて、多くの入居者にとって終の棲家となっています。

介護老人保健施設(老健)

退院してすぐに自宅に戻るのが不安という方に利用されています。医療機関が運営しているところが多く、主としてリハビリで回復し、住み慣れた自宅に復帰するのが目的です。病院と自宅の中間的な役割を担う施設だと考えれば理解しやすいのではないでしょうか。以前は1年以上入所されている方もおられま
したが、入所期間の制約が厳しくなり、3~6か月程度と短縮され、短期用の施設といえます。

 

介護療養型医療施設(療養病床)

病院における急性期の治療が終わった後、慢性的な症状に対する療養をおこなう施設です。医療、介護の体制は充分に整っていますが、かねてよりいわゆる「社会的入院」の温床になっているのではないかという指摘にさらされてきました。すでに平成29(2017)年度までには全廃されることが決定しており、今後
介護療養型老人保健施設(新型老健)などへの転換が進められていく予定です。

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